こんにちは!
お読みいただいてありがとうございます。
あの無印良品から、なんと「コオロギせんべい」が発売されます。
コロナウイルスの影響もあり、現在はネット販売のみ。
5月20日からの発売となります。
2019年秋、無印良品が「2020年春に発売する」とプレスリリースしていた商品がいよいよお目見えです!
せんべいのなかに「コオロギパウダー」を練りこんだ商品。
世界的に見ると「昆虫食」が一般的な地域もありますが、日本ではなじみのない文化のような気がします。
ですが、実は日本人は「昔は昆虫を普通に食す」文化を持っていました。
その名残をお持ちなのか、先日、女優の長澤まさみさんが「コオロギはおいしい!」と言われ話題になったことは記憶に新しいところです。
その一方で「昆虫食」に、驚かれた方も多かったかと思います。
無印良品がなぜ今、昆虫食に挑むのか。
昆虫食という文化は、この先の日本になじんでいくことはできるのでしょうか。
日本の昆虫食の歴史
近年「虫を食べる」習慣がなかった日本ですが、実は、日本人は昔から昆虫を食していました。
日本での昆虫食の歴史は、古い時代の記録が残っておらず、江戸時代以降の記録が多く残されています。
この時代、庶民がひんぱんに食べていた昆虫は、イナゴ、スズメバチ類の幼虫、タガメ、ゲンゴロウ(金蛾虫)、ボクトウガやカミキリムシの幼虫(柳の虫)、ブドウスカシバの幼虫(えびづるの虫)などだったといいます。
今では考えられませんが、かなり多くの種類の昆虫を食していたんですね!
調理法は煮る・ 焼く・漬ける・、でんぶにする・・・などさまざま。
日本は「昆虫を食べる文化」という面で見ると、世界の中では中レベルの国だったといいます。
(世界中で食べられている昆虫は、メキシコの約300種類を筆頭に、約500種類以上はあるといわれています。)
大正時代、農商務省の昆虫学者・三宅恒方によって、アンケートによる食用・薬用昆虫の全国的な調査が行われました。
それによると国内での昆虫食は、ハチ類14種・ガ類11種・バッタ類10種など、合計55種。
また地方別では内陸の長野県の17種を筆頭に、41都道府県に達しています。
これらには、「せっぱつまった救荒食」は含まれていないとのことです。
意外と近代まで、日本人は実にいろいろな虫を「いかもの食い」ではなく、好んで食べていたのですね!!
現在、食用昆虫として有名なものは「蜂の子(クロスズメバチの幼虫やサナギ)」「まゆこ(カイコガの水炊き)」など。
また天竜川で採取される「ざざむし(トビケラ類の幼虫)」は高級品として有名です。
そのほか、信州酒場ではセミの幼虫の空揚げを食べる地域もあるようです。
ローカルな昆虫食は各地それぞれに残されていますが、 じょじょに衰退の一途をたどり、また、日常の食品から特殊な嗜好品へと変わり定着した状態でした。
高度経済成長とともに、先進国にのし上がった日本。
豊かになってからは「虫を食す」ことは、ほとんどありませんでした。
それが今、2020年にあの「無印良品」から「コオロギせんべい」が発売される背景には何があるのでしょうか。
無印良品が「コオロギせんべい」を発売する理由
2019年秋、無印良品は「コオロギせんべい」発売に向けたプレスリリースを発表しています。
・・・世界中の様々な国・地域において「感じ良いくらし」を提案する無印良品は、生活に必要な商品の販売のみならず、社会でいま起きている様々な課題に目を向けています。
中でも世界の急激な人口増による、今後の食糧確保と環境問題は避けてはとおれない課題と考えています。良品計画は、それらの課題を考えるきっかけになればという思いから、昆虫食の研究の第一人者の徳島大学と協業し、コオロギを食材とするための取り組みを始めました。
徳島大学からは、食用コオロギの実用化に向けた研究成果を、当社からは商品開発プロセスを共有し、おいしく食べていただける昆虫食の開発を進めています。国連食糧農業機関 (FAO) も、栄養価が高く環境への負荷も少ないという理由で、家畜の代替として昆虫食を推奨しており、中でもコオロギは食用に適しているとして国内外で注目されています。
(良品生活プレスリリースより)
こちらにもあるように、コオロギは「食用として大変メリットのある昆虫」だというのです!
コオロギを食用とするメリット
- 栄養価が高い
コオロギは体内に、主要な栄養素(たんぱく質やカルシウム、鉄分など)を多く含む昆虫。効率よく栄養を摂取できる。 - 環境にやさしい
家畜などに比べて、生育する際の温室効果ガス排出量・必要な水やエサの量が圧倒的に少い。環境負荷の軽減。 - 生産が効率的
飼育しやすく安定して生産でき、他の昆虫よりも成長が早い(約35日)。
またエサは主に穀物類だが、雑食なのでエサの選択肢が広い(廃棄される食糧をエサにあてるなど環境問題にも貢献)。
コオロギって素晴らしい食材だったのですね・・・・!
でも、やはり気になるのはその「お味」。
どのような味がするのでしょうか。
気になるお味は? 長澤まさみさんは「好みの味」!
気になるコオロギのお味ですが、エビに似ているという感想が多くみられます。
無印良品でも、サンプルを試食した社員の多くが「エビのような味で意外とおいしい」だったといいます。
サンプルの時点でおいしい、という事ですので、完成品の発売は楽しみですね!
ちなみに芸能界では、以前、女優の長澤まさみさんがコオロギ食を絶賛していました。
(「櫻井・有吉 THE夜会(11月21日放送)」に出演した際にコオロギラーメンを試食。
「美味しい!」と賞賛し、エビに似た味で好みとのこと。)
長澤まさみさんは、無印の「コオロギせんべい」をきっと買うでしょうね!
コオロギを食した事のない人であっても、「エビに似ている味」なのであれば、おいしくいただける気がします。
徳島大学ベンチャー「株式会社グリラス」との連携
最後になりましたが、無印良品(株式会社良品生活)がタッグを組んだ徳島大学ベンチャー「株式会社グリラス」は、2050年に直面すると言われている「24億人の食糧不足」を解消すべく取り組んでいるベンチャー企業です。
いち早く「コオロギの食料としての有用性」に着目し、国連が2030年までに達成すべき世界共通の目標として掲げるSDGs(17項目)のうち5項目を達成すべく活動しています。

- 飢餓をゼロに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
(株式会社グリラス:https://gryllus.jp/ より)
「昆虫を食べる?」というと、どうしても拒否反応が出る方がいるのは当たり前だと思います。
ですが、これからの食糧問題・環境問題を考えれば、おいしくいただける昆虫なのであれば、積極的に取り入れていく動きは進んでいくのかな、と感じたきっかけにもなりました。
最後までお読みいただきまして
ありがとうございました!
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